夏のハクチョウ観察
「冬の使者」としてシベリアから日本に飛来する白鳥は実際はオオハクチョウとコハクチョウの二種に分かれます。中には何らかの理由で飛ぶことができなくなり、日本に定住する個体が見つかることがあります。
2020年8月初頭。八郎潟防潮水門付近から潟上市側に延びる水路にて。真夏の田園風景の中で存在感を放つ3つの白い影。
右側の二羽はオオハクチョウ。嘴の黄色が長いのが特徴。
左側は嘴の黄色が短いコハクチョウ。両種には大きさの差異がありますが、ただ見ただけではよく分からないことが多いです。
8月中旬。同じ水路の少し違う場所に三羽で居りました。
水路の縁に座るオオハクチョウ。屈曲した首が蛇を彷彿とします。
斜面上、向かって手前はコハクチョウ。
奥側のオオハクチョウ。
八郎潟へ飛来したオオワシ
2019年11月末、男鹿市内の八郎潟沿いの農道を走っていると、田んぼの中にオオワシの姿が。名前の通り大型のワシで、冬になると北方から飛来し、秋田県内では八郎潟付近で良く観察されているようです。
獲物を食べ漁っている最中で、残り物にあずかろうとしているのか、カラスも寄ってきます。それによりオオワシの重厚な体格が際立って見えます。暫くするとオオワシはこちら側に背を向け、飛び去っていきました。
2020年2月中旬に大潟村内の農道で電柱の上に止まるオオワシを発見。
細い場所でやや窮屈そうですが、強風の中でもしっかりと掴まり留まっていました。
数日後も同じエリア内にいた同一と思われるオオワシ。前日よりもポーズが決まっており格好良い。
2月末、またも同じ場所に行ったらやはり居りました。今回は顔の正面側も撮れました。
同日、他の場所の鉄塔の最上部にもオオワシが止まっていました。逆光にならない背中側を撮影。
2019年から2020年にかけての冬は記録的な少雪で、八郎潟周辺は真冬でも概ね自由な探索が可能でオオワシの他にも白鳥や雁の群れなどを観察でき、自分なりに楽しんできました。次の冬もまたオオワシの勇姿を拝めるでしょうか…?
47年ぶりに男鹿線でSL運行
2019年10月12日と13日、JR男鹿線にて「DLおが・SLおが」のイベントが予定されていました。当イベントでは12系客車4両とその前後にディーゼル機関車(DL)と蒸気機関車(SL)を取り付け、秋田駅と男鹿駅を往復するもので男鹿行きの往路は「DLおが」、秋田行きの復路は「SLおが」とそれぞれ別の名称が与えられました。当然ながらSLに注目が集まるわけですが、使用される車両は2012年、2013年、2014年、2018年に秋田県内を走った「C61形20号機」。秋田ではお馴染みと言える当機ですが、男鹿線での使用は初めてであり、また男鹿線でのSL走行自体が47年ぶりと言うことで期待が高まっていました。
本番の一週間前に行われた試運転。列車は既に男鹿駅へ到着し、待機している場面に遭遇しました。前年は羽後境駅で見送ったSLとの再開がまさか男鹿駅とは全く予想していませんでした。男鹿線は非電化区間であるが故に随分とすっきりした印象で、より一層SLが日常的に走っていた時代を思い起こさせます。
往路は先頭となるディーゼル機関車「DE10 1647」。前年の「SL秋田こまち号」でも横手から湯沢までの間、列車を牽引しており、その前に男鹿線を走った「男鹿なまはげ号」でも「DE10 1187」と共に使用されています。
SLが先頭となる復路は男鹿~羽立間で撮影。自分にとって最も馴染みのある男鹿線でこの場面を撮影できるとは感慨深いものがあります。
別の試運転の日は男鹿線撮影の定番と言える船越水道で、往路の後ろ向きに走るSLを撮影。
復路は先日と同じ場所へ。日差しを浴びて輝く車体。
肝心の12日・13日は数日前から大型の台風19号の接近による悪天候が予測され、期待が持てない状態となっていました。同日に男鹿駅付近で行われる予定だった「新・秋田の行事 in 男鹿 2019」も10日に中止が発表され、DL・SLの本運転も幻と消える覚悟をしていたところ…。
12日は何と出発式を取り止めながらも運行は予定通りで、降りしきる雨の中、列車は無事に男鹿駅へ到着。後に雨が小降りになったので駅での撮影を開始しますが、やはり雨のせいか周囲の人出は少ないように感じました。
旧駅舎向かいの草地も開放され、広いスペースでゆったり見物できました。もし天気も良く「新・秋田の行事」が開催されていれば遥かに多くの人で賑わったでしょう。
気付いたら1時間ほども駅にいましたが次第に雨が強まってきたので、駅を後にしました。復路のSLは羽立駅で見物しましたが雨は止まず、写真撮影は断念しました。13日は男鹿線は始発から15時頃まで運休が決まり、DL・SLの本運転は結局12日のみとなってしまいました。それどころか14日に秋田駅と秋田車両センターで予定されていた「鉄道ふれあいフェスタ」とその一環であるSL・DL構内回送の体験乗車まで中止という散々な事態に…。しかし全国的に台風による甚大な被害が報じられ、多くのイベントが中止に追い込まれたことを考えると、12日の運行は奇跡的だったかも知れません。イベント自体は残念な結果に終わったものの、自分自身は過去にないほどにSLを身近に感じられ、良い経験になったと思いたいところです。
記念に販売された掛け紙付き駅弁には晴天下で行われた試運転の写真が使用されました。寒風山を背景にした男鹿ならではの一枚です。近いうちにこの光景が再現される日が来ることを願っています。
変わりゆく「道の駅ふたつい」 その後
高速道路(日沿道)の整備のため、移転を余儀なくされた能代市の「道の駅ふたつい」。新たな道の駅がオープンしたのが2018年7月で、2019年春頃には旧施設が跡形なく撤去されているのを確認していましたが、思うように写真が撮れず8月中旬にようやく充分な撮影ができました。2018年7月初頭までの現地の様子は変わりゆく「道の駅ふたつい」としてまとめてあります。
きみまち歩道橋から探索を開始。きみまち阪側の駐車スペースから坂を登り、向かって左の国道7号を渡ると以前の道の駅へ行くことができました。
歩道橋の上から見た新しい道の駅。下を通る国道7号。
橋を渡った先は旧施設の敷地の上段側で、売店やレストランが入った総合観光センター、観光案内所、歴史資料館がありました。
総合観光センター跡地の正面側。国道7号の「きみまちトンネル」坑口の上部が見えます。
上段奥側から見た歩道橋側。
下段には産直センターとトイレがありました。現在は付近で高速道路のトンネル工事が行われ、工事車両の出入りが多くなっています。旧施設の敷地はまだ立入禁止ではないため一般車両が入ってくることもあります。
トイレは1980年代末の「ふるさと創生事業」で交付された1億円で建設された「1億円トイレ」として知られていました。
下段奥側のトンネル工事現場入口。作業が行われる日は頻繁に大型ダンプが往来します。
跡地の写真ばかりでは寂しいので新施設にも少し触れます。これは2019年7月下旬の写真でオープン一周年の横断幕が掲げられていました。
旧施設からそのまま移設された赤い丸ポスト。
歴史資料館の展示品も施設内で公開されていますが、その中でも目玉と言えるのが旧二ツ井町内で発見された埋もれ木。樹齢800年を超す杉が960年頃に倒れて埋没し、好条件の下で腐らずに1981年に発掘されたというもので大胆にもガラス張りの床下に展示されています。
男鹿水族館GAOに新たなホッキョクグマがやってきた
2005年から男鹿水族館GAOにて飼育されている雄のホッキョクグマ「豪太」。2019年3月にその繁殖相手として兵庫県の姫路市立動物園から雌のホッキョクグマ「ユキ」が移送され、同月中に一般公開が始まりました。そのことには気付かず、たまたま公開開始から間もなく水族館に行く機会を得られ、後で調べて詳細を知ったのではありますが…。
水族館の正面。館名のロゴは手前側にあり、右側の入口付近は物寂しい印象。建物の中に入るのは豪太が来て間もない頃以来となります。豪太の他にも以前は「クルミ」や「ミルク」といったクマも飼育されてはいたのに、結局この2頭は見ることのないまま終わってしまいました。
順路に入ると間もなく現れる大水槽。ここで暫く見とれてしまいます。
学校は春休みの時期ですが、平日ということもあってか館内は空いており、比較的ゆっくりと見物できました。
アマゾンコーナーでは、かのデンキウナギやピラニアも間近で観察できます。
アマゾンコーナーを過ぎると外の景色が見え、ホッキョクグマ用のプールが現れます。
新たに仲間入りした「ユキ」が三角コーンを玩具代わりに泳ぎ回ったり、水に飛び込む動作を繰り返していました。
ユキは19歳で、姫路市立動物園では「ホクト」という雄グマと長年同居してきました。
通路を下っていくと、今度は豪太が出現。ユキよりも年下で15歳ですが、雄は体躯が大きく距離も近いのでより迫力があります。同じ場所をウロウロしているだけで水に入る場面には遭遇できませんでしたが、10数年ぶりにお目にかかれたというだけでも来た甲斐はあったと思います。
男鹿に迎えられた秋田犬の「つばき」
どこかへ出掛け、写真を撮るくらいしか取り柄のない私にとって、冬とはただただ退屈なばかりですが、私の地元である男鹿市の道の駅「オガーレ」に2019.1.24に秋田犬が迎えられるという、少し明るい話題が入ってきました。著名人に贈られるなどして話題になる秋田犬。県内各地の観光施設等で触れ合える機会が増えていますが、男鹿にも来るとは意外でした。退屈しのぎにと、早速最初の日曜日に見に行ってきました。
犬の名前は「つばき」。公募で最も多く寄せられた名前で、市の花でもあります。因みに青森県鰺ヶ沢町の「わさお」の妻となった犬も同名です。
展示スペースの「秋田犬ふれあい処」は敷地の末端のような場所に設けられています。周囲はやはり多くの見物客で賑わっていました。
まだ生後4ヶ月で可愛らしいですが、犬の成長は早くあっという間に大きくなるでしょう。男鹿の新たなアイドルとして立派に育つことを期待しています。
ブサかわ犬「わさお」&美ノ捨
2018年も12月に入り本格的な冬の到来を控えた頃、青森県鰺ヶ沢町の名物犬「わさお」に会いに行ってきました。今回の訪問は2017年10月以来、3度目。わさおを拾い面倒を見てきた菊谷節子さんは2017年11月30日に亡くなりその後が気になっていました。
過去の記事 「わさお」の写真も併せてご覧ください。
わさおが待つ「きくや商店」。
店の前で睨みを利かせる番猫(?)。
犬小屋の屋根は重厚なものに変わっていました。娘の「ちょめ」はこの日は不在で会うことがでませんでした。
新しい説明板。
丁度わさおの妻「つばき」が散歩へ出掛け、一匹だけになったわさお。
数分後つばきが戻り、今度はわさおが散歩へ出掛けますが、やはりすぐに帰ってきました。
歩行者の集団が近くを通ると2匹とも興奮した様子に。すぐに収まりますが、その後つばきが物陰に隠れてしまいそこでじっとしていました。
わさおも余り動かなくなったのでじっくりと撮影。
「ブサかわ犬」として世間に知れ渡ってから早10年、彼は今や老犬の域に達していると言えるでしょう。
わさおの小屋の横は海岸が見渡せ、なかなか気持ちが良い場所です。
余談ですが、ここの住所は「美ノ捨(みのすて)」と言います。「美」に「捨てる」と書く場所に「不細工だがかわいい犬」が居るという訳です。わさおが幾ら有名になろうとも、この地名に焦点が当てられることは無いようです。
商店前のJR五能線の跨線橋は「美濃捨橋」。アーチ型の水管橋が寄り添います。
この道路は国道101号で、2016年に開通した津軽自動車道で迂回が可能。
帰る途中、赤石川に架かる基橋の上から撮った雪化粧の岩木山。勇壮な山容はまさに地域のシンボルと呼ぶに相応しく、快晴下でより一層魅力的に映ります。しかし眼下の川には力尽きた無数の鮭(白く見える物)が沈んでおり、自然の雄大さと儚さを同時に見るようでした。