秋田の路上探索 BLOG

特にテーマを定めず、旅先で見た物や景色を紹介していきます。

47年ぶりに男鹿線でSL運行

秋田の路上探索

 

2019年10月12日と13日、JR男鹿線にて「DLおが・SLおが」のイベントが予定されていました。当イベントでは12系客車4両とその前後にディーゼル機関車(DL)と蒸気機関車(SL)を取り付け、秋田駅と男鹿駅を往復するもので男鹿行きの往路は「DLおが」、秋田行きの復路は「SLおが」とそれぞれ別の名称が与えられました。当然ながらSLに注目が集まるわけですが、使用される車両は2012年、2013年、2014年2018年秋田県内を走った「C61形20号機」。秋田ではお馴染みと言える当機ですが、男鹿線での使用は初めてであり、また男鹿線でのSL走行自体が47年ぶりと言うことで期待が高まっていました。

 

本番の一週間前に行われた試運転。列車は既に男鹿駅へ到着し、待機している場面に遭遇しました。前年は羽後境駅で見送ったSLとの再開がまさか男鹿駅とは全く予想していませんでした。男鹿線は非電化区間であるが故に随分とすっきりした印象で、より一層SLが日常的に走っていた時代を思い起こさせます。

f:id:aoft291:20191013224444j:plain
f:id:aoft291:20191013224453j:plain

 

往路は先頭となるディーゼル機関車「DE10 1647」。前年の「SL秋田こまち号」でも横手から湯沢までの間、列車を牽引しており、その前に男鹿線を走った「男鹿なまはげ号」でも「DE10 1187」と共に使用されています。

f:id:aoft291:20191013224505j:plain

 

SLが先頭となる復路は男鹿~羽立間で撮影。自分にとって最も馴染みのある男鹿線でこの場面を撮影できるとは感慨深いものがあります。

f:id:aoft291:20191013224513j:plain

 

別の試運転の日は男鹿線撮影の定番と言える船越水道で、往路の後ろ向きに走るSLを撮影。

f:id:aoft291:20191013224520j:plain

 

復路は先日と同じ場所へ。日差しを浴びて輝く車体。

f:id:aoft291:20191013224529j:plain

 

肝心の12日・13日は数日前から大型の台風19号の接近による悪天候が予測され、期待が持てない状態となっていました。同日に男鹿駅付近で行われる予定だった「新・秋田の行事 in 男鹿 2019」も10日に中止が発表され、DL・SLの本運転も幻と消える覚悟をしていたところ…。

 

12日は何と出発式を取り止めながらも運行は予定通りで、降りしきる雨の中、列車は無事に男鹿駅へ到着。後に雨が小降りになったので駅での撮影を開始しますが、やはり雨のせいか周囲の人出は少ないように感じました。

f:id:aoft291:20191013224537j:plain
f:id:aoft291:20191013224545j:plain

 

正面に取り付けられた赤いなまはげヘッドマーク

f:id:aoft291:20191013224555j:plain f:id:aoft291:20191013224604j:plain

 

旧駅舎向かいの草地も開放され、広いスペースでゆったり見物できました。もし天気も良く「新・秋田の行事」が開催されていれば遥かに多くの人で賑わったでしょう。

f:id:aoft291:20191013224612j:plain

 

DL側のヘッドマークは青いなまはげ

f:id:aoft291:20191013224622j:plain f:id:aoft291:20191013224632j:plain

 

気付いたら1時間ほども駅にいましたが次第に雨が強まってきたので、駅を後にしました。復路のSLは羽立駅で見物しましたが雨は止まず、写真撮影は断念しました。13日は男鹿線は始発から15時頃まで運休が決まり、DL・SLの本運転は結局12日のみとなってしまいました。それどころか14日に秋田駅秋田車両センターで予定されていた「鉄道ふれあいフェスタ」とその一環であるSL・DL構内回送の体験乗車まで中止という散々な事態に…。しかし全国的に台風による甚大な被害が報じられ、多くのイベントが中止に追い込まれたことを考えると、12日の運行は奇跡的だったかも知れません。イベント自体は残念な結果に終わったものの、自分自身は過去にないほどにSLを身近に感じられ、良い経験になったと思いたいところです。

 

記念に販売された掛け紙付き駅弁には晴天下で行われた試運転の写真が使用されました。寒風山を背景にした男鹿ならではの一枚です。近いうちにこの光景が再現される日が来ることを願っています。

f:id:aoft291:20191013224642j:plain